【8570】(イオンフィナンシャルサービス)減配せず高配当化!イオン系のクレジットカード大手
近年高配当化しているイオン系のクレジットカード大手、イオンフィナンシャルサービスの紹介記事です。
まずはこの記事のポイントです。
・直近は6%を超える配当利回りとなっているが、業績や配当能力面では当面問題がない
・イオン系列の強みを生かし、国内だけでなくグローバルにも進出している
・決算月が2,8月のため、配当月を分散したい人にはおすすめ
・日本を含むアジア圏において、コロナによる商業施設の閉鎖命令に伴い大幅な業績悪化が予想される
1. イオンフィナンシャルサービスってどんな会社?
企業概要
1981年、ジャスコ (現在のイオン)の子会社 「日本クレジットサービス」 として設立されたイオンクレジットサービスが母体となっています。 保険・銀行代理店やローン事業、近年は電子マネーにも積極的に事業を展開しています。
国内企業のイメージが強いですが、親会社イオン同様アジア圏を中心に事業を展開しており、イオンフィナンシャルサービスもグローバル化が進んでいます。
主な株式指標
近年のコロナショックにより配当利回り上昇中です。配当利回りだけで見ると買い時かもしれません。
個人的には2月,8月に決算がある企業が少ないため、配当月の分散の意味で注目していました。
2. 株価チャートと配当利回り推移
青:イオンフィナンシャルサービス、オレンジ:オリエントコーポレーション、緑色:日経平均
※TradinViewにて作成(2020年5月8日時点 ) https://www.tradingview.com/x/u1CVBwoD/
2013年以降は日経平均を下回り、株価も下降傾向となっています。競合であるオリエントコーポレーションとも似たような動きをしています。
続いて、配当利回りを見てみましょう。
配当利回りは2~3%前後でしたが、株価低迷に伴い配当利回りが7%を迫る勢いで上昇しています。高配当銘柄の中でもトップクラスです。
一方、配当金は連続増配はしていませんが、減配はせず配当性向を40%以下にコントールしています。
また、配当政策は以下の通りです。
当社は、株主の皆さまに対する利益還元を経営の重要施策と位置付け、株主の皆さまへの適正な利益配分を実施するとともに、事業拡大や生産性向上を実現するための内部留保資金の確保を行い、企業競争力を高めることを基本方針としております。
引用元:イオンフィナンシャルサービス 企業ページ
権利落ち日と配当支払い月は以下の通りです。
権利落ち日:2月,8月、配当支払日:5月,11月
毎年、若干権利落ち日や支払い日が変わるので、詳細は以下のサイトで確認することをオススメします。
ちなみに配当情報はこちらのサイトを参考にしています。
3. 売上・営業利益・純利益
イオンフィナンシャルサービスの決算報告に合わせて、経常収益・経常利益で業績を見ました。経常収益は右肩上がりに成長し、4,000億円を突破しています。10年前の2倍以上の成長です。
また、経常利益率は15%と非常に高い水準を維持し、純利益率と共に安定感があります。収益と合わせて利益もしっかり創出できているようです。
下のグラフは売上構成を表しています。
ご覧の通り、国内のクレジットカードが収益の柱になっています。日本はようやくキャッシュレス化が進み競争が激化しています。競合との差別化やイオン経済圏での顧客囲い込み、事業の多角化やグローバル進出が今後の成長の鍵となるかもしれません。
続いてのグラフは売上地域を表しています。
ほとんど国内ですが、グローバル化が進み、収益の30%は海外が占めています。
ちなみに、中華圏とは”香港”、”中国”を指し、マレー圏は”マレーシア”、”フィリピン”、”インドネシア”、”インド”を指します。最後にメコン圏は”タイ”、”カンボジア”、”ベトナム”、”ミャンマー”、”ラオス”を指しますが、ここまでニッチな地域まで触手を伸ばしているのは意外でした。
4. キャッシュフロー
営業キャッシュフローは、業態上仕方のないことですが、現預金の増減が激しくなるため安定感はありません。これは参考程度に見ておくことにします。
ただ、フリーキャッシュフローは基本的にはプラス圏で推移しているため、現預金をしっかり創出することができています。
5. EPS・BPS
一株当たりの資本と利益です。これで一株あたりの価値をおよそ測れますが、BPS(1株あたり純資産)・EPS(1株あたり純利益)共に上昇傾向ですが、直近は鈍化しています。今は、コロナショックにより、どこの企業も苦しい状態ですので仕方がない面もあるかと思います。
6. まとめ
業績も順調に成長を見せ、高配当ながら配当能力も問題がなさそうです。また、決算月が数少ない2,8月ということもあり、分散の意味で保有しておきたい銘柄です。
・直近は6%を超える配当利回りとなっているが、業績や配当能力面では当面問題がない
・イオン系列の強みを生かし、国内だけでなくグローバルにも進出している
・決算月が2,8月のため、配当月を分散したい人にはおすすめ
・日本を含むアジア圏において、コロナによる商業施設の閉鎖命令に伴い大幅な業績悪化が予想される
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